設立趣旨
特定非営利活動法人 森林保全・文化協会設立趣意書
平成21年7月21日
森林は木材を生み出すだけでなく、水を貯え国土を保全し、空気を浄化し、海の恵みをもたらし私たちの生活に欠かせない働きをしています。 しかし、経済がグローバル化する中で、熱帯林の破壊・砂漠化・酸性雨・地球温暖化・また、近年頻発する山地災害にと、 私たち人間を取り巻く環境は、悪化する一方となっております。
徳島県は林野面積が約31万ヘクタールで、総面積の約75パーセントを占めており、この豊かな森林資源を背景に、 林産物の供給をはじめ水源の涵養、国土保全等の公益的機能の発揮を通じ、古くから地域社会の安全と発展に貢献して来た所であります。
加えて近年、地球環境への貢献から温室ガス吸収源としての重要な役割や森林の特性を生かし木材を再生産可能な資源として利用する 資源環境型社会の構築などが叫ばれ、森林の重要性が改めて認識されているものの、近年の、経済のグローバル化する中で、 森林・林業・木材産業を取り巻く環境は木材価格の長期低迷、経営コストの増加による採算性の悪化、 それに伴う森林所有者の経営意欲の減退等により、林地は荒廃し、本来森林の持つ公益的機能が衰退してきているのが実情であります。
徳島県においては、杉・檜などの人工林資源が充実しつつあるが、齢級不均衡の解消・事業コストの低減・原木や製品の安定供給体制の整備など、 解決すべき課題も多く、このままでは森林の衰退を招き、地域社会の安全と発展に大きな影響を及ぼすことが懸念される。
今こそ、林業・木材産業に携わる関係者は、先人が育んできた人工林資源を徳島県林業再生の大きな資源として生かしながら、 将来あるべき森林の姿を見定めた、しっかりとした森林管理を行い、持続可能な森林資源として未来へと引き継いでいかなければなりません。
林業・木材産業は、森林を母体として成り立つ資源循環型産業として多くの業態が存在し、それらが個別に対応しても、 課題解決の糸口を見出すことは難しい。
まさに、川上から川下に至る産・学・官の幅広い関係者がそれぞれの垣根を乗り越え、
森林と環境の保全をはかるとともに、安全と豊かな人間性を育むことに寄与することを目的とし、総力を挙げて取り組むため、 特定非営利活動法人 森林保全・文化協会を設立するものである。